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児童虐待が31年連続増加 児童虐待はなぜ起こるのか?

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全国の児童相談所が2021年度に児童虐待として対応した件数が2076591990年度の統計開始以来から31年連続で最多を更新しました。

この件数の多さにも驚きですが、毎年増加していることにも驚きと悲しさを感じてしまいます。また、これは児童相談所が把握している件数なので実際にはまだ多いのではないでしょうか?

この記事では増加の一途をたどる児童虐待についてや対策について書きたいと思います。

この記事の内容

・児童虐待とは?定義とその種類

・近年実際に起きている事例

・子どもの虐待防止活動を行う民間団体 

 認定NPO法人児童虐待防止協会

 オレンジリボン運動

児童虐待とは

児童虐待が起こる時は、家庭内で親から子に対してだけでなく、その周辺の大人からも行われることがあります。それは、単に子どもが憎いからという理由だけではなく、家庭ごとに様々な理由や過去があると言います。

児童虐待の定義と種類

親や親に代わる保護者などの大人が子どもに対して身体的、精神的に何らかの圧力や危害を与える行為であり、育児放棄もそれにあたります。また、以下の4種類に分類することが出来ます。

引用:厚生労働省

この図から分かるように、

児童虐待の約6割が心理的虐待

となっています。虐待というと殴る蹴るなどの暴力的なものをイメージする人も多いと思いますが、言葉や態度による心理的虐待は誰もが無意識のうちにしてしまうことがあります。

この事実をみて思うことは、心理的虐待はどんな人でもしてしまっていたり、今後もする可能性の高い虐待だと思います。人間は対人関係の中で最もストレスを感じやすいと言いますが、それは親子間でも例外ではありません。

ストレスを感じている時というのは、どんな人でも周囲に当たってしまうことがあり、その矛先は家族に向けられることもあるからです。

以下で、4つの分類を書き表しました。

心理的虐待

心理的虐待とは、言葉や態度による脅し、無視などです。兄弟間で接し方があまりにも違うなどもあります。また、子どもに対して家族内のDV(家庭内暴力)を見せることも心理的虐待にあたります。

2人兄弟でお兄ちゃんには優しい言葉をかけたり、褒めたりするのに対し、弟には「お前なんて産まなければよかった」「大嫌い」など存在を否定するような発言をする。子どもの前で夫が妻に暴力を振るう。などがあります。

身体的虐待

子どもに対して殴る蹴るなど身体に苦痛を与える行動を指します。身体的虐待は子どもの命を奪う可能性が最も高い非常に悪質な虐待です。

非常に悲しいですが、子どもの首を絞めたり、お風呂の湯に沈めたり、火であぶってやけどを負わせたりと聞くだけで心が痛くなるような虐待が行われていることも事実としてあります。

ネグレクト

育児放棄と同じような意味です。家に閉じ込めたり、不潔な状態で放置したり、体調が悪くなっても病院に連れて行かないなどがこれにあたります。

よくニュースで観るのは、親がパチンコに言ってる間に家に一人でいさせたり車の中で待たせおくなどがありますが、これにより中で熱中症で亡くなったりなどの事件は毎年のように起きてしまっています。

性的虐待

子どもに対して性交渉を要求したり、性器を触ったり親の性器を触らせたり、裸になることを要求したりなどがあります。

児童虐待は社会の問題 日本は単身親世帯の貧困率が高い国

上記の虐待は許されないことです。しかし、虐待をする大人にも過去に自分も親から虐待を受けていた。などの事例もあるみたいです。また、金銭的に貧しい家庭やシングルペアレントの過程では虐待をするケースが比較的多いのが現状です。

引用:NPO法人児童虐待防止協会

この図は貧困、孤立、虐待について分かりやすくあらわされたものです。

これらのことは、その親も必死に生きているけれど生活がままならない状況で大きなストレスを抱え、子どもに虐待をしてしまうということもあるみたいです。これは必ずしも、その親に原因があるのではなく、国や自治体、周囲のサポート体制が整っていないこともが虐待が起きてしまう一つの理由かもしれません。また、日本の単身親世帯は2世帯に1世帯が相対的貧困下で暮らしており、経済的な問題で子どもに虐待をしてしまうといったケースも多いでしょう。

この図はシングルマザーの貧困率を表したグラフですが、就業者の貧困率が他国に比べて高いことが分かります。因果関係があるかは、分かりませんが生活が困窮する中で精神状態が不安定化する。また、再婚や内縁の夫が子どもを虐待するというニュースもよく観ますが、 不安定な精神状態では正しい判断ができない中でそういう男性を選んでしまい、一緒に暮らすもその男性が子どもに手を上げる。これは私の主観ですが、このような構造があるのではないかと感じずにはいられません。

実際にあった虐待の事例

虐待による子どもの死亡事例は最近では年間で70件を超えています。これは週に1人が虐待により命を落としいるという悲しい数字です。

このように死に至らしめる虐待というのは、現在も無くなっておらず、コロナ禍でむしろ増加傾向になってしまうのではないかと思います。

ここでは虐待により死に至ってしまった事例をいくつか紹介します。

事例①

2022年6月。

北海道釧路市で幼い子ども2人を自宅に残したままパチンコに出かけ、半日以上放置し生後4か月と2歳の幼い兄弟をおよそ13時間半にわたって放置し、生後4か月の幼児は死亡。

この容疑者は何度かこのようにネグレクトをしたと報道されました。

事例②

2018年1月。横浜市鶴見区で交際していた女性の子ども(当時4歳)を暴行して死なせたとして逮捕。この容疑者は虐待を常習的に行っており、非常に残虐極まりないです。しかし、この事件は母親自身も警察に相談しており、また周囲もその状況に気付いていたみたいなので、救うことが出来なかったのかと非常に悔やまれます。

事例③

平成31年、千葉県野田市で過剰なしつけにより虐待に発展し、10歳の少女が死亡した事件があります。これは、報道番組でも連日報道されていました、少女は何度もSOSを出していたのにも関わらず、適切な対応を取られることなく虐待は続けられ、死亡してしまいました。これは、虐待をしていた父親は逮捕され児童相談所の職員も懲戒処分されることとなりました。しかし、どれだけ重い裁きを受けたとしてもこの少女の命は帰ってきません。

対策

児童虐待に対する対策として様々な対策がなされています。

児童虐待防止法(正式名称は児童虐待の防止等に関する法律)は2000年に成立されており、児童福祉法からより強く発信され、児童虐待が疑われる場合でも通告義務があることを周知したり、警察などの介入もしやすくなりました。

また、民間でも児童虐待撲滅を目指して活動している団体があり、現在でも精力的に活動しています。

認定NPO法人児童虐待防止協会

この認定NPO法人児童虐待防止法は子どもの虐待を防止するために設立された日本で初めての民間団体です。私自身もすごく共感できるのですが、どのような状況であっても、子どもには愛情を与えられる社会であってほしいと思いを持っています。

社会と「子ども 家庭」をつなぐをミッションに掲げて、社会全体で支え合うことを目指しています。子どもだけでなく、子育てに悩む大人のためのホットラインや若者への虐待防止についての教育活動など、社会で児童虐待防止を防ぐたの活動をしています。

 子ども虐待の予防教育授業 |児童虐待防止協会 (apca.jp)

児童虐待撲滅を目指す団体 認定NPO法人児童虐待防止協会とは日本初の民間での児童虐待防止を目的として設立された団体です。子育ては社会で行うことを目指し、様々な活動を続けています。児童虐待を無くすためには、私たち個人でもできることは多くあり、まずはこのような団体がどんな活動をしているのか知ることも必要かもしれません。...

オレンジリボン運動

2004年に栃木県で3歳と4歳の兄弟が父親の友人から暴行を受け続けて、最終的には川に投げ捨てられるという凄惨な事件があり、そのような事件を二度と起こしてはならないという思いから設立されました。

子ども虐待の防止にかかわるさまざまな団体と連携し、児童虐待防止法制度の改正や児童福祉施設基準の見直しなどを求める活動を行い、この目的のために、法律や制度の施行状況を調査、検証し、さらなる改善に向けて、シンポジウムや集会、研修、提言等さまざまな活動を展開しています。

また、子育てに悩む親を支え、不幸にして虐待を受けてしまった子どもたちへの支援を行うために、社会全体が子ども虐待についての理解を共有し、それぞれができることを果たす必要を社会に発信しています。

オレンジリボン運動 – 子ども虐待防止 (orangeribbon.jp)

まとめ

児童虐待と一言で表しても、その中身は複雑です。

愛する我が子なのに暴力を振るったり、内縁の相手の子どもが虐待を受けるケースは後を絶ちません。

また、子どものために必死で働いている親も生活が困窮しストレスから子どもの世話が出来なくなったり手を挙げてしまったりと、、

はたから見れば、一番近くにいる親ならもっとしっかりしないとダメだ。と思う方もいるかもしれませんが、それが出来れば苦労はしません。

児童虐待を根絶するにはその親だけでなく国や社会がもっと取り組みを強化していかねばならないと、このブログを書きながら改めて考えさせられました。

この先、児童虐待がなくなるために自分には何ができるかを考えて微力ですが行動していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。